枚挙に暇がない

自分の脳内を形にしたい

エッセイ

好きだったバンドの話

中学2年生の時、私は「monobright」に出会った。その頃の私は、テレビと漫画好きをこじらせていた。学校を転校して、新しい環境にどこか馴染めない、ぎこちなさを感じていた。誰かと誰かが、誰かを評価し、値ふみする。そこは薄暗く、どんよりと重たい空間…

初めてライブをみた夜の話

「世界も涙も強さも忘れて素敵なあなたに歌われたいよ」(monobrightアナタMAGICより) 今まで見たことのなかった憧れの世界が目の前に広がっている。私は全身の肌がぞわぞわと、小刻みに震え上がるのを感じながら、若干外れたハンドクラップを鳴らした。 4月7…

「    」

――霧笛だ。霧笛が呼ぶんだ。無機質な暗闇にゆらゆらと動く一筋の光と一人分の足音。一面闇だった舞台がぼんやりと照明の光のベールに包まれ、スーッと影が伸び、背中のシルエットが見えてきた。役者が一つ二つと紡ぐように言葉を出す。舞台に鳴り響く、 ボー…